『渋谷ユーロライブ「高峰秀子を観て語る夜」』第7回に東宝株式会社取締役専務執行役員の市川南さんが登場!

1月30日(木)、東京・渋谷区のユーロライブで生誕100年スペシャルイベント『渋谷ユーロライブ「男子解禁~高峰秀子を観て語る夜~」』第7回を開催しました。
毎回上映作品やテーマを変えて、松山善三・高峰秀子の養女で文筆家の斎藤明美氏がゲストと痛快なトークを繰り広げる本イベント。第7回の上映作品は『恍惚の人』。有吉佐和子の同名ベストセラーを脚本は松山善三、監督は「地獄門」の豊田四郎で映画化した作品です。家族の顔さえ忘れてしまった老人とその息子夫婦の苦しくも温かい人間ドラマで、高峰は息子の妻役を務め、当時としては馴染みのないテーマで舅との関係性を見事に演じました。そして上映会後に行われたトークのゲストには、東宝株式会社 取締役専務執行役員の市川南さんをお迎えしました。
斎藤氏が今回のゲスト、市川さんと初めてお会いしたのは、8年前の「松山善三さんを偲ぶ会」だったそう。その時には名刺交換のみだったが、後々100年プロジェクトでの写真使用などで何度もやり取りをすることに。そんな縁で今回のゲスト出演もご快諾いただきました。
前日に『恍惚の人』を観なおしたという斎藤氏は「当時は特に思わなかったけれど、今観ると身につまされる思い。まだヘルパーさんがいなかった50年前に、こんな作品を書いた有吉佐和子さんはすごい」と語ります。さらに「この作品は市川さんととてもゆかりのある作品。なんでかわかる?」とニヤリとして客席に問いかけます。
実はプロデューサー(市川喜一さん)が、市川さんのお父上、そしてなんとお兄様が出演しているとのことです。市川さんは当時のことを聞いてくださったようで「2人が挨拶のために(高峰さん、松山さんの)ご自宅に伺って食事をご馳走になった。さらに高峰さんは父に、『あなたのご子息は年を取ったらいい俳優になるかもね』と伝えたそう」と話します。すると斎藤氏は「高峰は興味の無い人の話はしないので、本当にそう思ったんだと思う」と高峰の性格を振り返りました。
ご自身もお父上と同じく映画プロデューサーという道に進んだ市川さん。『世界の中心で、愛をさけぶ』『いま、会いにゆきます』『シン・ゴジラ』『ゴジラ-1.0』などの大ヒット作を手がけた超敏腕プロデューサーです。職業柄たくさんの映画をご覧になっている中、高峰の作品で好きなのは『浮雲』と『永遠の人』だそう。希望がない作品が苦手な斎藤氏は共感できないと言いながら『永遠の人』の撮影秘話を交え、市川さんとの映画談議に花を咲かせました。
最後には市川さんの勇姿を見にきていた東宝社員の男性2人(20代と30代で大の高峰ファンとのこと!)を壇上にあげ、「若くてそれも男性のファンというのはすごく貴重。あなたたちの話が聞きたい!」と斎藤氏が公開熱烈オファーをし、今回のイベントもあっという間に幕を閉じました。
次回は2月10日(月)、池袋・新文芸坐 支配人の花俟良王さんにお越しいただいた際の模様をご案内致します。