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2025.02.19

『渋谷ユーロライブ「高峰秀子を観て語る夜」』最終回は池袋・新文芸坐 支配人の花俟良王さんをお迎えました!

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2月10日(月)、東京・渋谷区のユーロライブで高峰秀子生誕100年スペシャルイベント『渋谷ユーロライブ「男子解禁~高峰秀子を観て語る夜~」』第8回を開催しました。

毎回上映作品やテーマを変えて、松山善三・高峰秀子の養女で文筆家の斎藤明美氏がゲストと痛快なトークを繰り広げる本イベント。最終回となる第8回の上映作品は『名もなく貧しく美しく』。松山善三の初監督作品で、ろう者夫婦の物語です。高峰は幼い頃に聴覚を失った女性に扮し、夫婦が様々な苦難を乗り越え懸命に生きる様を演じました。そして上映会後に行われたトークのゲストには、池袋・新文芸坐の支配人、花俟良王さんをお迎えしました。

『名もなく貧しく美しく』について、勧善懲悪のストーリーが好みの斎藤氏は、酷いラストだと松山に直接抗議したことがあるそう。松山は「みんなで手を携えて幸せにならなければいけないのに、自分たちだけ幸せになろうとした見せしめもあるんだ」と語ったというここでしか聞けないエピソードから、最終回となる今回のイベントがスタートしました。

花俟さんからは「タイミングが読めなかった加山雄三さん演じるアキラが悪い部分もある。だから『乱れる』で松山さんは、贖罪の意味も込めて高峰さんに仕返しをさせるような脚本を書いたのでは」と斎藤氏も驚く新説が飛び出します。さらに登場人物たちが思いを愚直にストレートに伝える場面から「松山さんの高峰さんに対する想いも反映されているのでは」と考察。斎藤氏曰く、高峰は自分が賞をもらうより松山が評価されることを喜んでいたそうで、この作品でおしどり受賞となった際、珍しく大口を開けて笑う高峰のまさに破顔一笑の写真が残っているとのことです。

花俟さんが支配人を務める池袋・新文芸坐は言わずと知れた歴史ある名画座で、「高峰秀子生誕100年プロジェクト」のスタートの地というご縁もあり、ゲストとしてこのユーロライブでのトークイベント最終回を盛り上げてくださいました。新文芸坐を、何にでも飛びつくギラギラした映画館と称する花俟さん。そんな映画館での今までの上映ランキング1位が、なんと『浮雲』だそう。

「高峰秀子生誕100年プロジェクト」オーラスを飾るのも新文芸坐。斎藤氏の誕生日3月27日(木)には、19:05からの『稲妻』上映後に斎藤氏のトークイベントが、3月30日(日)には13:20からの『風前の灯火』上映後に斎藤氏のトーク&抽選会が予定されています。30日(日)の午前中には『喜びも悲しみも幾年月』が上演予定ですが、この順番にも花俟さん流の視点で繋がりがあるとのこと。

「気軽に映画を観られる場を消したくない。来てくださった方を見ることも幸せ」と語る花俟さんの熱い想いも詰まった「高峰秀子生誕100年プロジェクト」最終の地にも、ぜひ足をお運びください。

2025.02.12

『渋谷ユーロライブ「高峰秀子を観て語る夜」』第7回に東宝株式会社取締役専務執行役員の市川南さんが登場!

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1月30日(木)、東京・渋谷区のユーロライブで生誕100年スペシャルイベント『渋谷ユーロライブ「男子解禁~高峰秀子を観て語る夜~」』第7回を開催しました。

毎回上映作品やテーマを変えて、松山善三・高峰秀子の養女で文筆家の斎藤明美氏がゲストと痛快なトークを繰り広げる本イベント。第7回の上映作品は『恍惚の人』。有吉佐和子の同名ベストセラーを脚本は松山善三、監督は「地獄門」の豊田四郎で映画化した作品です。家族の顔さえ忘れてしまった老人とその息子夫婦の苦しくも温かい人間ドラマで、高峰は息子の妻役を務め、当時としては馴染みのないテーマで舅との関係性を見事に演じました。そして上映会後に行われたトークのゲストには、東宝株式会社 取締役専務執行役員の市川南さんをお迎えしました。

斎藤氏が今回のゲスト、市川さんと初めてお会いしたのは、8年前の「松山善三さんを偲ぶ会」だったそう。その時には名刺交換のみだったが、後々100年プロジェクトでの写真使用などで何度もやり取りをすることに。そんな縁で今回のゲスト出演もご快諾いただきました。

前日に『恍惚の人』を観なおしたという斎藤氏は「当時は特に思わなかったけれど、今観ると身につまされる思い。まだヘルパーさんがいなかった50年前に、こんな作品を書いた有吉佐和子さんはすごい」と語ります。さらに「この作品は市川さんととてもゆかりのある作品。なんでかわかる?」とニヤリとして客席に問いかけます。

実はプロデューサー(市川喜一さん)が、市川さんのお父上、そしてなんとお兄様が出演しているとのことです。市川さんは当時のことを聞いてくださったようで「2人が挨拶のために(高峰さん、松山さんの)ご自宅に伺って食事をご馳走になった。さらに高峰さんは父に、『あなたのご子息は年を取ったらいい俳優になるかもね』と伝えたそう」と話します。すると斎藤氏は「高峰は興味の無い人の話はしないので、本当にそう思ったんだと思う」と高峰の性格を振り返りました。

ご自身もお父上と同じく映画プロデューサーという道に進んだ市川さん。『世界の中心で、愛をさけぶ』『いま、会いにゆきます』『シン・ゴジラ』『ゴジラ-1.0』などの大ヒット作を手がけた超敏腕プロデューサーです。職業柄たくさんの映画をご覧になっている中、高峰の作品で好きなのは『浮雲』と『永遠の人』だそう。希望がない作品が苦手な斎藤氏は共感できないと言いながら『永遠の人』の撮影秘話を交え、市川さんとの映画談議に花を咲かせました。

最後には市川さんの勇姿を見にきていた東宝社員の男性2人(20代と30代で大の高峰ファンとのこと!)を壇上にあげ、「若くてそれも男性のファンというのはすごく貴重。あなたたちの話が聞きたい!」と斎藤氏が公開熱烈オファーをし、今回のイベントもあっという間に幕を閉じました。

次回は2月10日(月)、池袋・新文芸坐 支配人の花俟良王さんにお越しいただいた際の模様をご案内致します。